*Menu*


*  龍門寺オフ その1  *
2008年4月29日(火)
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


両槻会の定例会、第一回目<宮滝御幸記略>そして第七回目<道長が見た飛鳥>にも登場した
龍門寺を一度この目で観たい!!と言う話が持ち上がり、久しぶりのオフとなりました。

菅原道真が(「菅家文章」巻五)次の歌を残しています。

    遊龍門寺
  
   随分香花意未曾 : 随分の香花 おもへども未だかつてせず
   緑蘿松下白眉僧 : 緑蘿の松下 白眉の僧
   人如鳥道穿雲出 : 人は鳥路の如し 雲を穿(うが)ちて出づ
   地是龍門趁水登 : 地はこれ龍門 水を趁(お)ひて登る
   橋老往還誰鶴駕 : 橋は老いて往還(おうかん)す 誰が鶴の駕ならん
   閣寒生滅幾風燈 : 閣(たかどの)は寒(ひややか)にして生滅(しょうめつ)す。
   樵翁莫笑歸家客 : 樵翁笑ふこと莫かれ 家に歸(かえ)る客を
   王事營々罷不能 : 王事(公務)營々として罷(や)めんとして能(あた)はず

藤原道長の金峰山行きの中で、源長経が次のように残しています。

   時に仙洞雲深く、峡天日暮る。青苔の巌は尖り、瀑布の泉は飛ぶ。其の勝絶を見て、
   殆と帰るを忘れんとす。

さてさて・・・神仙境龍門寺・・・落涙を覚えず、殆ど帰ると言わずと言われたのはどんな場所だったの
でしょうか〜。
 この日、11時17分、近鉄:大和上市(やまとかみいち)駅下車。

 両槻会事務局員も誰もこの龍門寺へ行った人はいません。探し探し歩こうと言う企画でした。

 みんな一緒に楽しもうと・・・。大和上市駅から11時25分発の奈良交通バス「湯盛温泉杉の湯行」に乗り、河原屋西交差点まで行く。190円也。

 この山、ご神体なのだそうです。これについてはまた後ほど〜vv
【 遊龍門山 の 碑 】

 葛野王(かどののおおきみ)が読んだ五言漢詩が書かれています。

  命駕遊山水 :  駕を命じて山水に遊ぶ
  長忘冠冕情 :  長く忘る冠冕(かんべん)の情
  安得王喬道 :  安(いづく)にか王喬(おうきょう)の道を得て
  控鶴入蓬瀛 :  鶴を控(ひ)きて蓬瀛(ほうえい)に入らん 

 なんのこっちゃ?でしょ。
 
  「乗り物を用意させて、(龍門寺の)綺麗な山水で遊んでいると
   政治の煩わしさをすっかり忘れてしまった。
   なんとか自分も王喬(中国の仙人)の仙術を会得し
   鶴に乗って蓬瀛(仙人の住むめでたい国)に行きたいものだ」
   
 この五言漢詩は 『懐風藻』(かいふうそう)と言う日本最古の漢詩集に載っています。
実はこの<懐風藻>この詩を詠んだ葛野王の孫である<淡海三船(おうみのみふね)>
が撰者ではないかと言われています。

 
葛野王(かどののおおきみ)
  大友皇子(後の弘文天皇)の第一皇子。母は十市皇女。
  文章に長けた人物と言われているが、壬申の乱で敗れた大友皇子の子であったために
  朝廷内でもあまり評判は良くなかったが、後に正四位の位を授けられ、
  式部卿の地位に任ぜられた人。

 長忘冠冕情・・・私も日頃の煩わしさを早く忘れたいので、先に歩を進めたいと思います。(オイ)
 バラ・・・棘もあります。が、バラはバラでも、これはバラ科の<クサイチゴ>です。

 車道脇に、沢山咲いていました。花が落ちるとシベが丸く生長をして、だんだん赤くなり粒々が出て来て、イチゴそっくりになります。勿論食べられますよ。ジャムにすると美味しいらしいです。
 「おぉ、蕨(わらび)が出てる」と言う私の声でみなさんが集まって来られました。車道から少し高くなったところに沢山の(わらび)が顔を出していました。

 草木灰(草木を燃やして出来た灰)を混ぜたお湯でさっと茹でてそのまま冷ましてアクを抜きおひたしや煮物の具として利用する

 この画像ぐらいまでが採り頃。本当はもう少し先が丸くなっている出たての芽が一等美味しいのです。
 随分生長した蕨ですが、これでも手折れる部分で採って食べる事が出来ます。手前のように葉が開ききってしまったら諦めて下さいね。そうなると美味しくない。
 道標がちゃ〜んとありました。先ずは【 山口神社 】へ向かいます。

 平日は神社の所まで地域の乗り合いバスが運行されているそうですが、土日祝はお休みです。なので、ここまで徒歩で来ました。

 みんなとワイワイしながら歩くのも楽しいものです。
 この日はとても良いお天気で、少し歩くともう汗ばんでいました。

 私も途中から半袖になりました。勿論、腕にもUVケアして来ましたよvv
 これが山口神社です。

 高鉾神社 と 吉野山口神社

 2社あるって事ですか???
 鳥居の左手には【 龍門滝 】と書かれていました。
 鳥居をくぐって吉野山口神社本殿を目指す。

 木陰に入るとス〜ッとしました。木々から発せられるとても気持ちよい気の流れを感じました。

 吉野山口神社(御祭神:大山祗(氏の下に一のない文字)神:おおやまつみのかみ)

 *延喜式神名帳に名を連ねた神社

 古くは天満宮と呼ばれたが、この神様は天候を司る神で、天神(あまがみ)信仰から天神とたたえられあつく信仰されました。

 *社名が改められたのは明治以降。
 
 *拝殿の前にある二基の灯篭は、八代将軍徳川吉宗公が、参勤交代の長途の安全を祈って寄進したもの。


 高鉾神社(御祭神:高皇産霊神:たかみむすびのかみ)

 *延喜式神名帳に記載された神社

 最初竜門岳山頂に祀られていたのが、約五百年ほど前に、吉野山口神社の境内に遷されたそうです。だから2社あるんですね・・・。

 今も竜門山頂にある嶽(だす)神社内、高鉾神社の元官です。

 *本殿・・・室町時代の形式
 *社殿中央にある一基の灯篭は文亀三年(1503年)の遷宮記念に奉献されたのではないかと言われているらしい。
 いや〜派手な(オイ)・・・いえ、綺麗な絵を施された神社です。

 屋根よりやや下に描かれているのはネズミでしょうか?灰色の動物がいました。

戻る       次へ
* HOME *