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父と梨と・・・
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 晩夏になると、毎年決まったように父が連れて行ってくれた場所がある。

奈良の薬水という所にある梨園。と言っても、梨狩りをするわけではなく、

梨園で売っている梨を買うためである。どうして梨狩りをしないのか・・・。

それは、梨狩りをしてもそんなに沢山食べられないから、元が取れないと

言う単純明快な答えである。話し好きな父は、毎年同じ梨園へ行き、農家

のおばちゃんやおっちゃんと話しをゆっくりしながら、味見用の梨を頬張る

。その梨園を営んでいる御家族はとても愛想が良くて、味見だと称しては

沢山の梨を剥いて出してくれる。これがとても瑞々しくて美味しい!!

「こんちはよ〜ん!おばあちゃん、今年も来たぞー!」これが父が発する

第一声。横にいるこちら側が恥ずかしくなるくらいに、あけすけな言い方。

これが父のスタイルであった。あちらも心得たもので「おっちゃん、来てくれ

はってんね。」と、椅子を出して梨を剥いてくれる。「いっぱい食べてや!」

そう言いつつ、今年の梨の出来具合を話して聞かせてくれる。父もPも、

二十世紀より幸水が好み。長十郎が一等好きだが、関西にはあまりない。

長十郎は父の田舎である福島には沢山あるのだが・・・。長十郎は甘くて

その蜜はベタベタとするような感じなので、好みが分れる所だ。その長十

郎に似ていて、甘味は少し薄いが幸水が1番近い味のように思える。二十

世紀はどちらかと言うとあっさりと瑞々しい。若い人はこちらが好みらしい。

両方を買い求め、少し表皮に傷のある物を沢山<おみやげ>と称して入

れてくれるのがまた嬉しい。車から降りようともしない母へ、剥いた梨を持た

せてくれるのも忘れない。今年はとうとう行けなかった・・・。毎年この季節

になると思い出すのだろうな。甘い幸水の味と共に・・・。

          ☆平成16年9月21日 P-SAPHIRE

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