短歌に寄せて 

 短歌・・・中学の時、兄の本棚から見つけた一冊の参考書。それが私(P)と短歌との出会いでした。古今和歌集の解説が書かれている参考書で、同じ日本語でも普段話している言葉と随分隔たりがあるんだな・・・と漠然と眺めていました。でも、四季折々の花に寄せて詠われていたり、愛する人を思い、嫉妬して詠まれたりと、その心は今とそんなに隔たりはないのには驚きました。意味を理解するにはまだまだ能力もなく、ただ眺めては「こんな歌を詠むことが出来たら素敵だろう」と思ったものです。

 高校に入学して、高校が短歌や俳句に力を入れていたこともあり、年に数回歌を詠む機会が出来て来ました。宮中の歌会始めや家隆忌、芭蕉忌などの献歌がそのほとんどでしたが、全員1首は必ず提出しなければいけなくて、随分頭を捻り期限ギリギリに提出していました。(笑)古文の先生方により優秀作品を選び、学内で披露されたりして、それに時々選ばれた事が嬉しくて、自分自身も歌詠みをするようになりました。難しい古文の文法などは知りませんが、歌を詠むという事は結構楽しかったです。

 高校を卒業した後は、あまり歌詠みをすることもなく、早くに結婚をし子供を産んだので、それどころではなくなってしまい、いつしかすっかり詠う事はしなくなりました。けれど、子育ての合間に中学の時に手にした兄のあの参考書は時々見ていました。それが引越しを期に失ってしまい、古本屋で見つけたのが万葉集の解説本です。で、読んでいるうちにその素朴さ、素直さに驚きました。難しい技法を駆使して楽しむ短歌ではなく、自分の心に煌いた一瞬の姿や相手を思う気持ちを素直に表わされているところがとても気に入って、それからというもの、色々な万葉集の解説本を読み漁りました。技法や文法も大切なのだろうけれど、私としては、自分の気持ちを素直に表わしているその時代の歌が実は歌の本質ではないかと思ったのです。これなら私でも歌えるんじゃない?などと偉そうに?思いました。

 君が行く 道のながてを 繰り畳ね 焼きほろぼさむ 天の火もがも 
                         狭野弟上娘子(万葉集)

 この歌が大好きでね〜。こんな情熱的で素直な歌を詠みたい!!と、思い、この歌と出会ったのをきっかけに<愛>をテーマに詠んでやろうなどと考えました。

 HPを開設した当初、<A misty rose>は音楽のサイトでした。御存知の方は少ないと思いますけれど。(^^ゞ 好きな音楽の思い出話や思い入れを、その音楽を聞いて頂きつつ読んで頂こうと思っていたのですが、著作権の問題でそのページもやむなく閉鎖。そこで浮かんだのが昔詠んでいた短歌を、今度は別の形でやってみようと思いついたのです。下手は下手なりに、自分の気持ちが出せたら素敵だろうな〜って。ほんの思いつきです。(笑)

 これをやって早2年の月日が流れ、今では私のライフワーク化しつつある歌詠みのページですが、ここで問題が出てきました。と言いますのは、私のテーマは<愛>であると自分では思っていて、それが思わぬ誤解を招いていることに気づかされました。それは、私が詠む歌詠みが、すべて実際の事を詠んでいるのだろうと誤解され、「Pさんって、不倫をしているんですね」などと、あちらこちらで囁かれ出したのです。これはもう、どう言ったら良いのだろうか・・・悩みました。(笑)ほんの一握りの経験と、空想を酷使して作られている歌であるとはわざわざ明記するまでもないだろうと思っていましたが、あまりにもその中傷が酷いので取り敢えず書いておこうかな〜なんて思いました。(^^ゞ

 はじめはすごくそのいわれた事が気になってしまって、歌を詠むのを止めようかと思いましたが、考え直しました。そう思って頂けると言うことは、それだけ情熱的に詠めてきている、上達?して来ているのだと思う事にしました。プラスの発想転換ってやつですね。そう思うと、もっともっと情熱的に歌詠みをしてやろう!と、ファイトが出てきました。(b^ー゚)♪グッ!

 どんな時に歌詠みをしているのか?と、良く聞かれます。人と待ち合わせするちょっとした時間、人間ウォッチングしつつ想像を掻き立てて詠んでみたり、素敵な音楽を聴いてその音楽にどっぷりと浸りつつ、思いついた気持ちを詠んでみたりとそれはさまざまです。そこから<5.7.5.7.7>に合うように言葉をはめ込んで行きます。これが大変ですが、1番楽しい所でもあります。(笑) 普段あまり頭を使わないので、せめて歌詠みをしてボケ防止に努めようかと。(o^-^o) ウフッ

 HPを持っていると、自分の思ってもいない展開があり、色々な予期せぬ出来事が起こります。でも、沢山の友達に恵まれてこれは私の宝だと心から思っています。これからも<愛>をテーマに、情熱的かつ素直な気持ちで歌詠みを続けて行こうと思います。下手でもいいの。それよりも歌を詠むのが好きだという気持ちを大切にこれからも詠んで行きたいと思っています。

           03.9/24 P-SAPHIRE

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