*- 喫茶去 -* ************************** <喫茶去>と書いて<きっさこ>と読みます。 禅の言葉だそうですが ささ、一服のお茶を召し上がって下さい 的な言葉だとPは理解しています。 もう何年前になるかしら・・・ まだ学生の頃だったような記憶がありますが、 自宅の呼び鈴が鳴ったので玄関ドアを開けてみると そこにはみすぼらしい老人が立っていました。 「はい?」と言う私に、薄汚れた手をニュッと差し出し 「お握り一つ恵んで下さい」と言った。 「ちょっと待って下さいね」と、一旦家の中に戻り、母に 「お乞食さんが来てはって、お握り欲しいって言うてはる」と告げた。 母は当時の100円を私に手渡し「これで帰ってもらい」と言った。 しかし老人はお金を受け取らず、お握りが欲しいと言い張る。 そこで父はこう言った。 「どんな身なりの人であろうと、丁重にしなければいけない。 人を助ければ、また自分もどこかで人に助けてもらえる。 どんな人でも、話をすれば一つ良い事を言う。 ちゃんとお握りを作って食べてもらえ」 言われた通り、お握りをいくつか作り手渡すと、 老人は丁重に頭を下げてどこかへと去って行った。 いつも喧嘩ばかりしている父でしたが、 この時は「父は偉大だ」と思いました。(笑) この時、父が施したお握り・・・この精神がまさしく 喫茶去ではないだろうか。 老人は何も語りはしなかったけれど、 父から良い話を聞くことが出来た。 これも縁なのかと、あれから随分月日は経っていますが しっかりココロの中に残っている出来事です。 <憎いと思う相手に対しても お茶の一杯を差し出す度量の深さを持ちなさい> 今まさに、総裁選真っ只中。 <喫茶去>の気持ちを持てる人になって頂きたいと ココロから願うばかりです。 (ブログ:風想花に書いたものを転記しました。) 2008.01/28 P-saphire |