〜 新春飛鳥詣 その2 〜
2008年1月3日
 これが岡寺の三重塔です。

 とても美しい形をしているんですよ。
 四方に小さなお琴が逆さに吊るされています。風人さんにお聞きすると<風琴:ふうきん>なのだと教えて頂きました。

 風が吹くと、琴の糸を風が揺らし、それはそれは素敵な音が・・・と言う事はなく、台風でも鳴らなかったらしいです。いや〜理想と現実は違うのですね。

 左端にあるのは<風鐸:ふうたく>堂塔の軒先によく配置されています。

 唐の時代に竹林の東西南北につり下げそのふれあう音や風の向きで物事の吉凶を占った「占風鐸(せんふうたく)」の道具が起源。

 それを遣唐使が日本に伝え、お堂や貴族のお屋敷などの軒下四隅につり下げて主に魔よけとして用い鎌倉時代頃から「風鈴」として用いられるようになりました。
 そろそろお腹が減りました・・・いつもの<坂の茶屋>でお昼を頂くことにします。

 このお店は昔ながらの茶屋の様子を残している、ホッとさせてくれるお店です。名物おばちゃんは今年のお正月もとてもお元気でした。「顔を見せてくれると嬉しいですわ」と、笑顔でお客を座敷に案内してくれる。この日はとてもお客が多くて、私たちは奥座敷?に通して頂きました。店内は満員状態。それよりも大盛況なのは、壁や天井に張り巡らされたお客が残した色紙の数々。
棚にも所狭しと立てかけられている。このお店の人気が窺えます。
 <にゅうめん定食>¥700円也。

 とろろ昆布にゆで卵とネギの入った、おだしの効いたにゅうめんと、山菜の炊き込みご飯、きゃらぶきの佃煮がついてきます。お味はとてもあっさりとしていて、懐かしい味がします。

 満員で、外にも待っている人が沢山おられたので、早々と出立。
 坂の茶屋を出て、坂道をやや下り左に抜ける小道を行く。石舞台へ行くには、参道を降り切って行くよりも、この小道を抜けるのが早道。

 とても良いお天気で、木漏れ日はとても温か。歩いていると汗ばむくらいの陽気となりました。
 坂道を下ると眼下に見えてくるのが石舞台です。これは説明するまでもありませんね。(笑)
 石舞台から二上山が見えます。古くは<ふたかみやま>とも呼ばれましたが、今は<にじょうざん>と言う方が一般的です。

 <ヒメジョオン

 キク科 ムカシヨモギ属

 草丈50〜100cmになる一年草。

 花に見えるのは頭状花序で、小さな花の集合体です。白い部分は舌状花で、黄色い部分が管状花です。

 北アメリカ原産の帰化植物で、明治の初めに輸入されて鉄道の線路沿いに広がったことから、鉄道草との別名も。

 良く似た花にハルジオンがあります。
名前も混同されやすいですが、標準和名はヒメジョオン、ハルジオンになっています。

 蕾の首が下を向くのはハルジオン、上を向くのがヒメジョオンと教えてもらったので、私は「胸をハルジオン」と覚えています。

 開花は、ハルジオンが咲いてから2〜3ヶ月遅くに咲き始め、夏の終わりごろまで咲いています。で、どうして今頃咲いているんでしょうね?
 
 明日香村祝戸にある玉藻橋


 明日香川 瀬々に玉藻(たまも)は 生いたれど
 しがらみあれば 靡(なび)きあはなくに

(万葉集:巻7-1380 詠み人知らず)


*訳
 明日香に流れる川の瀬ごとに美しい藻が生えているけれど、しがらみに遮られて、互いに靡きあえないでいます。
  <明日香川

 高市郡高取山を源流として、稲淵(いなぶち)山の西を通り、甘樫(あまかし)の丘、藤原宮の側を通って、大和川に流れ、大阪市と堺市の境界線を流れて大阪湾へと注ぎます。

 カラスウリがぶら下がっていました。「こんな所にカラスウリなんて無かったのに・・・」仲間がつぶやいた。

 きっと誰かが、写真の被写体として面白いだろうって事で、どこかからカラスウリを持って来て掛けたようです。

 アマチュアカメラマンが嫌われる理由の一つでもあります。そこにあるはずも無い物が、被写体にすると面白いからと無理やり作り出すんです。本当に悲しいことです。
 <フユイチゴ

バラ科 キイチゴ属

常緑つる性小低木。
葉は単葉で互生。葉身は円形です。
果実は集合果で、直径1cmほどの小さな実です。

 暗い場所だったので、画像がブレました。用水路を跨いで撮影したのに・・・残念でした。(笑)

 O−さんが一粒食べてみたらしい。酸っぱくてほんのり甘みがあったと、後から聞きました。
 太古さんが「来年の年賀状の画像に」と、熱心に撮影されていた南天の実。さて、どんな年賀状になるのか、今から楽しみです。(笑)

 「撮影しても、いざと言う時に見つからない・・・」なるほど、カメラをしている人間の悩み所でもありますね。

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