7:00 PM 窓から見える空は すみれ色の濃淡を描き 眼下に広がるビル郡の明かりが 宝石のように輝く この時間の ここからの風景が一番好き 高速道路の赤いバックランプの帯が ゆるく糸を引くようにゆがんで行く バイオレットフィズ 空の色と同じ色に滴る アンニュイな心を引きずって ここに隠れるように座っている わたしひとり まさかあなたが扉をあけて 入ってくるなんて 思いもしないから 心が乱れてしまったわ でも その乱れた心を知られたくなくて 気づかない振りをした 空いた椅子ひとつ向こうに座るあなた その距離が 今の二人の距離なのね・・・ あなたは前を向いたまま 「元気だった?」と わたしも前を向いたまま「ええ、元気だったわ」と 早くなる鼓動 あなたに伝わらないように わたしは急いで でも ゆっくりと フィズを飲む 「さみしかった・・・」 そう素直にあなたに言えたなら 時はあの日に戻ってくれるだろうか 「手を離さないで、ずっと一緒にいて・・・」 言えない言葉を飲み込んで 席を立つ 「元気でね」 「あぁ・・・」 せつなさを身にまとい わたしは帰る わたしの住む時の流れへと ************** 05.05.01 P-SAPHIRE *- HOME -* Graphic by Pari’s Wind |