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*〜 廃油石鹸 〜*

廃油で石鹸を作りました。
随分使い古した、ドロドロの天ぷら油です。

こんな油で石鹸が出来るの???

とても不安でしたが、<こんな油>でも出来るのであれば
普通の油でも充分出来るのではと考えて実験してみました。

しかし、そこには沢山の 【 注意 】 が必要でした。

下記の事をしっかり読んでからやって下さいね。
悪戯に恐がらせているのではありません。
それだけ劇物を扱っているのだという気持ちでやって頂くと事故は防げます。
これは、自分の為ですから・・・。

私は、一切の責任を負いません。



  【 注意点 】

 1.苛性ソーダは劇物です。

    ■決して素手で触ったりしないで下さい。

    ■取り扱う時は、ゴム手袋、マスク、メガネ(出来ればゴーグル)をして下さい

    ■水と反応させる時に、高温になる場合があります。熱に弱い容器は使わないで下さい。
      100均で売られているようなガラス製品は、時として気泡があり割れることもあります。
      苛性ソーダーは腐食性劇物なので、通常のガラス瓶では使っている間にガラスが腐食
      してしまいますので、くれぐれも気をつけて下さい。
    
       *<パイレックス製品>や<磁器(陶器は不可)>を利用して下さい。
        富士理化工業さんでは、安全な化学実験用の製品が買えます。

 2.有名な某ソーパーさんは、苛性ソーダの中に水を入れるよう本に書いておられますが、
   それは高温を招き、時として飛び散ったりするので非常に危険ですから止めて下さいね。
   水の中に、少しずつ苛性ソーダを入れながらかき混ぜて下さい。

 3.最後の処理として、使った器具は大量の水(勿体無いけれど大量のお水が必要です)で
   洗って下さい。
そのまま適当に流したりすると、水道の管に穴が開いたり、そのまま川に流
   れたりすると、魚が死んだりしますので、最後まで気を抜かずにやって下さいね。

 4.万が一、触れてしまった場合・・・大量の流水にさらしすぐに病院へ行って下さい。

   本などではお酢など酸で中和させると良いと書かれていますが、酸にも色々あります。
   間違った知識はとても危険です。却って事故を招く事もありますので、必ず病院で診て貰って
   下さることをお願い致します。

 5.苛性ソーダを取り扱う時、決して床などにこぼさないよう、くれぐれも注意して下さい。
   誤って誰かが口にしたり、手で触ったりすると、とても危険です。新聞紙などを広げた上で
   取り扱って下さい。
もしこぼしても、すぐに処理出来るようにしておいて下さい。

 6.苛性ソーダは、決してそのまま棄てないで下さい。
   地域の環境局に問い合わせて、ちゃんと処理して下さいね。
   最後の最後までちゃんと責任持って下さい。

 7.苛性ソーダの入手は・・・大手のドラッグストアで印鑑、身分証明書を提示してから出ないと
   売ってくれません。常備しているところは少ないようなので、事前に問い合わせると良いと
   思います。1週間ぐらいで取り寄せして頂けると思います。

 <材料>

 *廃油・・・・・・・・2kg
 *苛性ソーダ・・・260g
 *水・・・・・・・・・・720g

 *尿素・・・・・・・・32g
 (これは好みです。入れなくても良い)

  と、言う事は・・・

 廃油 100g として計算すると

 < 苛性ソーダー・・・ 13g   >
 < 水・・・・・・・・・・・・ 36g   >
 < 尿素・・・・・・・・・・ 1.6g  >

    と、なりますvv
 この方が計算しやすいですね。(^^;
 *今回は、ハーブのマロウの乾燥花びら一握りと、生姜の薄切り一握りを用意しました。たまたま手元にありましたので入れてみようと思っただけです。色が付けば綺麗かな〜程度でした。

  別にこれは個人的に入れただけなので、入れなくても勿論結構です。匂いが気になる人は、ハーブを入れると良いと思います。
 *アイスクリームの空き容器(耐熱)と牛乳パック1本分に入れることにしました。

 個人的には、牛乳パックの方が、横を切って出せるので、使いやすかったです。
 *廃油・・・リードクッキンッグペーパーで漉しました。お高いですが、油を漉すのはこれが一番でした。二枚重ねで漉しています。

 本当にドロドロって感じがするでしょ?とっても濃い茶色です。使わなくなった炊飯器の内釜(深さがあるので安心かな〜って)を利用して、油を入れました。

 量が少ない場合はパイレックス表示のある丈夫なガラスか、化学の実験用ビーカーなどを利用するとベストです。ペットボトルを使う方もいるようですが、私はもしも粗悪のボトルで振って、飛び散った時の事を考えますので、恐くて使えませんでした。やはり、最悪の事も考える事も、時には必要ですからね。
 
 お水をお鍋に入れて、マロウと生姜の薄切り(使い古しです)とレモン少々を入れてみました。

 結果的には、効果はありませんでした。これぐらいの量では、油の匂いは消えませんし、色は油の色が薄まった程度なので、無意味だったようです。

 ゴム手袋、マスク、メガネ・・・これは必需品。最後までこれをして下さいね!!

*--*--*--*--*--*--*--*
 
 上で煮出した物を漉してから必ず冷ましてから分量の苛性ソーダーと尿素をかき混ぜながら徐々にいれ、菜ばしでしっかりかき混ぜます。この時、絶対に飛ばないように気をつけて下さい。(この時、ガスが発生し、熱を帯びます。そのガスを吸わないように、換気を必ずして下さい。その時、ガスが自分の方に来ないように気をつけて下さいね。

 驚かないで、落ち着いてやって下さい。
 油の中に、良く溶かした上記の苛性ソーダ入りのお水を、こぼれないよう注意しながら廃油に入れてください。(私は安全の為、流し台の流しの部分に油を置いてから苛性ソーダーを注ぎました。これなら多少周囲に飛んでもすぐに対処出来るからです。)

 私は、7段階切り替えの出来る電気泡だて器でかき混ぜました。その為に深めの内釜にしたわけです。そして、速度は一番弱くして攪拌し始めました。速度の切り替えが出来ない物は飛び散るので止めて下さいね。普通の泡だて器(手でかき混ぜる物)の方が安全です。
 約20分ほど、決してやめないで下さい。休んでしまうと固まらなくなる場合があるそうです。大体、泡だて器で文字が描けるようなトロミになったら、容器に入れて下さい。この段階では、まだ完全な石鹸になっていませんので、勿論素手で触ったりしないで下さいね。
 表面が固まるまで上にラップを掛けていました。表面が固まったら(まだ素手で触らないでね)ラップは取り外して、日陰の涼しい場所で1週間しっかり干します。

 この段階で、廃油の嫌な臭いはすっかりありません。「微かに小麦粉のような香りがする」と、息子が言ってました。部屋の中で干しても問題はないようです。(ただし、絶対に触らないようにして下さいね。しっかり固まるまでは、苛性ソーダーの成分が残っていますので、火傷をします。
 2〜3日経つと、表面に汗をかいたようにぷつぷつと水気のようなのが出てきますが、これはやがて綺麗になりますので、気にしないで下さいね。(最後まで決して素手で触らないで下さいね)
 3日経過・・・だんだん色が淡くなってきました。
 丁度1週間経過して、しっかり固まりましたので、切り分けて見ました。私は、ケーキを切る細長いナイフを利用しましたが、針金でも綺麗に切れると思います。お正月のお餅を切る感覚に似ています。やや硬い感じですが、体重をかけながらすると切りやすいので、私は床に新聞紙を敷いて、その上にラップを敷いてから石鹸を切りました。

 切ってからもう3日ほど乾かして下さい。
 1週間後、指先につけてピリピリしないか確認してから、お風呂で頭と体を洗って見ました。全く問題なく使えました。

 ただ、やはりドロドロの廃油を使ったので、やはり天ぷらの香り(我が家はお魚が多いので、お魚の匂い)がするそうで、お風呂に入りながら天ぷらになった気分に浸れると息子が笑っていました。次回は、油を漉してから、ローズマリーを入れて暫く保存してみようかと思っています。すり潰したローズマリーやコーヒーカスなどを入れても面白そうなので、理科の実験のように楽しみながら作ろうと思います。

今回、尿素を取り入れました。
尿素を取り入れた理由は・・・
1) 保湿
2) 角質を分解する
3) かゆみを止める

と言う見地からです。

アレルギーやかぶれの心配もなく安心して使えるというのも最大のメリット。

今回尿素を入れてみて、やはり肌や髪の毛がしっとりして、
乾燥肌の痒みは緩和されたように感じます。
これはあくまでも私や家族、友人の持つ感想なので、
人によって違うかも知れません。念のために・・・。

末筆になりましたが・・・

石鹸作りにおいて、大切なご本をお貸し下さった<はたろうさま>
理化学の容器の件でリンクさせて下さった<富士理化工業株式会社さま>
苛性ソーダの取り扱い及び、その後の処理方法を教えて下さった
生物学の先生<笑いねこさま>

ありがとうございました。m(__)m
お陰さまで、ちゃんと石鹸を無事作り終えることが出来ました。
この場をお借りして、御礼申し上げます。

P-saphire


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