春の夕陽
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家までの道
二人だんだん無口になってゆく
私は窓の外 夕暮れて行く空を眺め
あなたは前ばかりを向いている

何か話したいけど 言葉が出ない
あなたはハンドルを握り
「どうした?」って聞いてくるけど
「ううん・・・」とそれだけしか言えない

こっそり見たあなたの横顔は
いつもの笑顔が消えていて
車の中の音楽は同じ曲がリピートされている

「帰りたくない・・・」素直にそう言えたなら
この重い空気は飛んで行くのにね

あなたは私を降ろし
いつもハザード二回 さよならの合図
私は あなたの車が曲がり角を曲がるまで見送る

会えた嬉しさと さよならの切なさを残して
今日の日が暮れてゆく
春の早すぎる日没とともに・・・


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05.03.06 P-SAPHIRE


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